能絵版画 Ⅰ (シルク・スクリーン)

 

この能絵版画は、作家・浅山澄夫自身の企画・監修の下で制作・刊行した作品です。

 

欧米の流通スタイルでは、作家とマネジメント契約をしている画商が刊行・販売するのが一般的な方法です。 

私の場合は日本特有の美術業界の形式に馴染めず、無所属で活動していると云う事もあり、自分で刊行する事に致しました。

制作にあたっては私の作品のファンの方々にご協力を頂きました。 作家自らの刊行ですから、Ed.(エデイション=部数)を各50部に押さえ、希少性を持たせました。 

 

販売は 現在、能絵館のみにて行っています。当サイトの能絵館shop からお買い求め頂けます。


 

この四作品はシルク・スクリーンの技法を用い、専門の工房にて制作しました。

シルク・スクリーンは中国を発祥とし、セリグラフイとも呼ばれています。 

この版画作品の場合は、まず原画作品を写真に撮り、色分解をします。一つの色彩に対して一つの版を制作することになります。版は、目の細かな繊維(昔はシルク、現代ではポリエステルを使用)のスクリーン(幕)を使い、着色する箇所のみに、絵具が出てきて一つの色を刷る仕組みになっています。 

私の能絵版画作品では、このような版を使ったプリント工程を45~50回積み重ねています。 表現されている色の深味・重なり、グラデーションの加減は、正に版画工房の技量の見せ所と云えます。発色や線の表現は、原画とはまた違ったクリアなタッチに仕上がり、軽快でモダンな印象を受けます。 なお、版画工房で作業を終えたシルク・スクリーン(版)は直ちに破棄されます。