タブロー作品「F. 東 北」

 

F. 東 北 touboku

作品サイズ作品(画部分)F6号 / 41.0×31.8 

額装外寸 : 57.0×48.0㎝ (ゴールドー系フレーム)

混合画法、本金箔(24K)使用

1999年制作 一点もの 黄袋付・段ボールかぶせ箱入り

販売価格528,000/ 税込み価格(送料込み)

※こちらの画像は表面のアクリル板に光の写り込みが生じています

 

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平安時代に女流歌人として名を馳せた和泉式部は恋多き女性、恋の歌をたくさん詠みました。

ややもするとスキャンダラスな人物に捉えられがちですが、それは世間体を慮るより、純粋に自分の心に誠実に従った結果だと云えるでしょう。

謡曲「東北」では、式部の事は春先の孤高に花咲く梅花に見立てて描いています。

能絵作品の式部の美しく穏やかな表情に「歌舞の菩薩」を表し、夜陰に広がる梅花の香りを、背景のグラデーションで表現しています。

 

【 能 「東 北」 について 】

東国から来た旅僧は、東北院の和泉式部住居跡を訪れました。

咲き誇る梅の木を見ていると、美しい女人が現れて話しかけます。

「今は『和泉式部』、『好文木(こうぶんぼく)』、『鶯宿梅(おうしゅくばい)』などと呼ばれていますが、昔、和泉式部が植えて『軒端(のきば)の梅』と名付け愛でた梅の木です。 あの方丈は式部の寝所を残したもの。花も昔の主を慕うように、色も香りも増して咲き続けています。」 と話し、「私は和泉式部です。」 と言い残し花の陰に消えて行きました。

僧は門前の者から式部のことを聞かされ、供養を勧められます。 

梅の木陰で法華経を読誦すると在りし日の美しい上臈姿の式部が現れ、法華経に感謝し、

「昔、御堂関白・藤原 道長の法華経読誦の声に惹かれ、詠んだ歌の功徳で歌舞の菩薩となりました。」 と語り、和歌の徳や鬼門を守る東北院が霊地であることを讃え、恋多き昔を思い出しながら美しい舞を舞った後、暇を告げて臥所(ふしど)であった方丈へと入って行きました。

そこで僧の夢も覚めました。 

 

    (かど)の外(ほか) 法(のり)の車の音を聞けば われも火宅を 出でにけるかな ー 


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